2025_バングラデシュ

2025年3月19日

昨年に続き、セミフォーマルな短期留学派遣を今年も実施いたしました。参加者の方からレポートが到着しましたので、ご紹介いたします。

木製のバングラデシュの地図

パズルになっていて場所を覚えるために使えます

「フツカ」という料理

作業療法学科の先生が作って振る舞ってくださいました。本学の留学生も大のおすすめ料理で、確かに美味しかった!

【留学の概要】

  • 参加学生:作業療法学科4年生2名(2025年3月時点)
  • 留学形態:大学(部局)間協定を結んだバングラデシュの養成校Bangladesh Health Professions Instituteとリハビリテーションセンターに留学希望学生を派遣。スケジュールのコーディネートは大学間で枠組み作成を行い,旅費等は学生の自己負担
  • 留学期間:7日間(2025年3月6日~12日)
  • 留学研修先:Centre for the Rehabilitation of the Paralysed(CRP), Bangladesh Health Professions Institute (Occupational Therapy Department)-Savar, Dhaka
  • 主なスケジュール
  • 1日目:ハンドセラピーユニットの見学
  • 2日目:BHPIの学生さんたちと共に過ごす
  • 3日目:訪問看護・精神科デイケア・就労訓練の見学
  • 4日目:脊髄損傷ユニットの見学
  • 5日目:神経内科および脳卒中リハ病棟(Stroke Rehabilitation Unit:SRU)の見学
  • 6日目:WILLIAM & MARIE TAYLOR SCHOOL(WMTS) (Special school, Inclusive school) インクルーシブスクールの見学
  • 7日目:小児OTサービス部門の見学

【滞在記】

様々な初めて体験・面白体験

ホースセラピー

馬に乗ることを通したバランス技能の向上、馬の毛を触ることによる触覚の入力などの目的があるようです。子供に大人気でした。

Halfway hostel

脊髄損傷の方とその介助者が退院前の2週間過ごす場所。環境は田舎をイメージして作られており、より実際に近い環境で過ごすことができます。プログラムが決められていて、家に帰った後に家族がリハビリを続けることができるように練習する場でもあります。

平行棒

家でも作れるように竹でできています。隣のRikishaw(リキシャ:バングラデシュで一般的な移動手段。名前はもちろん日本語由来)は移乗練習のためのもので、車椅子と後方の座席間の乗り移りの練習ができるそうです。

ここには、理学療法士と作業療法士が1人ずついます。最初の数日はセラピストが介助者にやり方を教え、その後は介助者主体で行います。やり方が間違っていた時のみ指導するそうです。

木や金属でつくるリハビリグッズ

CRP内には木で物を作るwood workshopや金属を扱うmetal workshopなどがあり、障害のある方も多く働かれていました。ここでは治療で用いる道具や家具などがとても精密に手作りされていました。

special schoolに通っている生徒が個別で作業療法を受ける時に使われていました。
special schoolに通っている生徒が個別で作業療法を受ける時に使われていました。
脊損のユニットで使われていたものです。台の上に足を乗せて足首の運動を行うとのことです。

滞在中に学んだこと

  • 訪問看護(ホームビジット)
寝たきりの方のお家の屋外にある台所

一緒に住んでいる家族も仕事で忙しいという理由からほとんど寝たきりの生活を送っている方でした。

屋内のスロープ

このお家の方は裕福で、かつ大人数で住んでいるということもあり、家の中にはスロープがあり、家族の協力を得て、ADL(日常生活)を送ることができていました。

大家族のお家のエントランス
  • 脊髄損傷ユニット
車椅子の段差訓練場所1

脊髄損傷の方を対象とした練習場所です。日本ではスロープなどを設置することで環境面を変えようとしますが、バングラデシュでは人が環境に適応できるようにするようです。

車椅子の段差訓練場所2

実際には車椅子で段差を乗り越えたり、凹凸の激しい道を通れるようにしたりするなどの練習を行っていました。

バングラデシュの文化

Halfway hostel内の「バングラデシュの田舎の台所」

バングラデシュでは小さい椅子に座ってかかんで料理をするのが普通だそうです。

accessible kitchen

コンロが高めに設置されていて、車椅子でも調理が行いやすいようになっています。

道路に信号機や横断歩道はなく、車が次々と通っていく感じでした。車以外にRikishaw(リキシャ)も車道を走っていました。自分の位置を知らせるためにそれぞれがクラクションを鳴らしていて、終始大きな音がしていました。

またバングラデシュではよく停電が起こるそうですが、現地の方は何食わぬ顔で仕事をされるそうです。

バングラデシュの食事

私たちに配慮して少し辛さ控えめにしてくれていたようですが、とにかく辛かったです!現地の人は辛いものが好きなイメージですが、当然ながら苦手な人もいるそうです。学科長の先生のお家ではたくさんご馳走していただきました。本当にお腹がいっぱいなのに、不思議とずっと食べられました。

現地の学生との交流

日本では大学ないし専門学校を修了した後、国家試験を受けて就職しますが、バングラデシュでは大学で4年間勉強したのちに1年間のインターンシップがあるそうです。そこで実際に患者さんに介入をして学んでいくとのことでした。

短い期間ながら、多くの驚きと学びを得られる充実した留学でした!卒業前にこのような機会を作ってくださいました国際交流ご担当の諸先生方、留学や見学を受け入れてくださいましたバングラデシュの皆様、誠にありがとうございました。