佐々木研究室紹介

当研究室では、メンタルヘルス領域を中心に人が「自分らしい生活」を再獲得し、維持していくプロセスに注目し、その回復(リカバリー)を、作業(Occupation)を通して支援する仕組みを研究しています。
メンタルヘルス領域で中心概念となっているパーソナル・リカバリーは、症状の改善だけでなく、希望・自己決定・つながり・意味ある生活の再構築などを含む概念です。これは、作業療法の「人がやりたいこと・意味ある作業に再び関わることを支援する」という価値観と深く結びついています。

当研究室では、こうした視点に基づき、以下のような研究に取り組んでいます:
主な研究テーマ
・作業参加を促進するための介入研究
「入院早期の精神障害者に対する集団作業療法プログラムの効果検証」
→入院早期の方を対象に,作業やリカバリーの学習,生活の振り返り等を組み合わせた短期間の集団作業療法プログラムを開発し,作業参加や動機づけ,リカバリーに対する効果をRCTで検証しています.

プログラムの例

・「作業参加を促進するための介入戦略やニーズ」を明らかにする質的研究
→メンタルヘルス領域で効果的な介入を行うために,インタビューに基づき戦略やニーズを明らかにするための質的研究を通して,プログラム開発に結びつけています.

特定された介入戦略の例

・作業療法の理論枠組みに基づく評価尺度の研究
→人間作業モデルに基づく評価尺度について、信頼性・妥当性の検証、Rasch分析による尺度構造の評価、パーソナル・リカバリー尺度との関連を分析し、メンタルヘルス領域における評価の基盤づくりに取り組んでいます。
これらの研究を通じて、作業療法がどのように人の回復を支えているのかを検証し、臨床に還元できるエビデンスを構築することを目指しています。

教員の詳細はこちら↓
https://researchmap.jp/takeshi_sasaki