作業遂行分析学教室のテーマは、”Doing”です。この世界には、無限の「Doing=すること」が溢れています。人は、生まれてから一生を終えるまで様々な活動に携わります。人生を終える際も、周りの人はお葬式を行うなどDoingは絶えないのです。皆さんが誰かと一緒に何かの活動に関わることが健康の秘訣であることは、経験的に感じられると思います。一方で、なぜ誰かと一緒に何かをすると健康維持につながるのか科学的に説明することは、非常に難しいテーマでもあります。作業遂行分析学教室では、人が活動を長く続けられることに焦点をあて、3つの研究グループを構成し、研究を行なっています。
1 臨床イノベーショングループ
イノベーションとは「技術革新」という意味です。臨床イノベーションGでは、作業療法士が勤務する医療施設や福祉施設での技術向上のために研究を進めています。具体的には、癌、運動器疾患、小児切断、精神疾患、関節リウマチ、認知症の患者に対する作業療法プログラムを新たに開発実践しています。ゼミメンバーの所属は大学病院や一般病院、大学教員など様々です。
2 地域共生社会研究グループ
地域共生社会とは、世代や分野を超えてつながりをもち、地域をともに作っていく社会のことです。地域共生社会研究Gでは、高齢者を対象とした健康増進事業に対する政策提言、心のバリアフリー研究、元気高齢者研究、精神科デイケアにおける健康増進研究、市民の移動支援に関する研究を行なっています。ゼミメンバーは、自治体や研究所と共同で研究を進めています。
3 ルックスケア研究グループ
ルックスケアとは、身だしなみや容姿に困っている対象者に対するケアを指します。近年、ルッキズム(外見重視主義)の問題が叫ばれていますが、ルックスケアはあくまで対象者中心のケアであることを追求し、そのための方略を研究しています。具体的には、癌に対する化学療法後の副作用に対する支援方略の検討、関節リウマチに対する化粧分析、化粧と社会参加の課題に対する包括的評価の開発などを行なっています。ゼミメンバーは、この領域での活躍が際立っています。
4 尺度開発支援ユニット
評価表などの尺度開発には、専門的な知識と技術が必要です。本教室には尺度開発で博士を取得した客員研究員が2名在籍し、必要に応じてゼミメンバーの支援を行っています。
・他機関との研究連携
本教室では、研究テーマに柔軟に対応するために、国立大学や私立大学との共同研究を積極的に取り入れているほか、がん関連施設や企業との共同研究も実施しています。
・ゼミに入学希望の方へ
研究には様々な作法やルールがあり、これらの知識や技術を習得することが研究者としての第一歩だと思います。また、刺激を与えてくれる人々との出会いは、その後の人生を大きく変えてくれます。ぜひ、興味のある方は気軽にご連絡ください。
石橋先生が執筆された書籍が刊行されました!(2024年11月)
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