宮寺研究室紹介

【主な研究テーマ】

1)身体能力認知に着目した転倒予防システムの開発
高齢者の認知している身体能力(予測値)と実際の身体能力(実測値)との誤差(身体能力認知誤差)に着目した研究。
 ここ数年で要介護状態になる原因として転倒・骨折が増えています。高齢者が安全にいきいきと活動し続けるため、体力維持・向上を目的とした運動に加えて新たな視点による介入を目指し、転倒予防システムの開発に関する研究を実施しています。

2)社会参加の継続につながる高齢者向けのICT活用プログラムの開発
ICTを活用した趣味活動交流プログラムへの参加を通し、高齢者におけるICT活用の動機付けに与える効果を検証すること、そして、高齢者がより安心して継続的にICTを活用した社会参加に結びつくためのプログラムを作成する研究。
 高齢者がICTを活用し続けるためには、健康増進に役立つ情報を得て健康感を高めるだけでなく、愉しさ等高齢者の意欲や興味を満たす工夫が必要です。この愉しみの要素を含み意欲や興味を満たす活動に着目したプログラムの開発に関する研究を実施しています。

3)ヒトの協調運動機能に関する研究
筆跡と筆圧に着目し、目的の運動に関与する筋が協同的かつ調和的に活動する機能(協調運動機能)の定量的な評価方法を検討し、書字に困難さを抱える子どもや利き手がうまく使いにくくなった方などへの具体的な支援を検討する研究。
 ヒトが効率的に生活動作を行うためには、負担が少なくスムーズに手を動かせるかが重要になります。書字において協調運動機能の定量的な評価ができれば、当事者への効果的な学習支援に活用できるだけでなく、支援者の直感的な状態理解にも活用できると考えています。

【専門領域・キーワード Specialty・Keywords】
身体機能作業療法学 医療・福祉工学 上肢機能 協調運動機能 ICT活用 転倒予防

【関連資格等・Qualification】

  • 認定作業療法士
  • 日本シーティング・コンサルタント

【所属学生の研究内容例】
私の研究テーマは上記の3つが主ですが、指導学生(学生および院生)には、本人の興味や希望に合わせて、研究指導を行っております。
1)転倒予防
〇転倒リスクと注意機能の関連性について

2)ICT活用
〇スマートフォンへの不安感に対する要因の検証

3)上肢機能
○利き手・非利き手時の筆圧と把持圧の関係
○利き手交換におけるストレス負荷の検証
○食形態のちがいが箸操作時間および嚥下機能に及ぼす影響
○利き手交換訓練に関する基礎的研究-非利き手での使用感と自己効力感の関連性について-

4)感覚機能
○色彩が脳波、心理面(発汗)に及ぼす影響~嗜好との関係について~
○色彩嗜好と感性語の関係
○糸通しストレス反応に及ぼす音楽テンポの影響について
○音楽テンポ変化による作業及び自律神経への影響について
○音楽の嗜好性が作業効率に与える影響
○ラベンダーオイルの濃度変化によるリラックス効果について
○においの温度差がもたらす心理的・生理学的反応の検討

5)精神機能
○ストレス時の脳波に及ぼす血糖値の影響
○順唱と逆唱が与える脳波と自律神経反射への影響

6)その他
○作業療法におけるコラージュの応用
○手掌への温度刺激が生理反応及び情動に及ぼす影響について
○大学生における被服行動の寝衣での判断基準
○義肢装具の社会的認知-当大学学生のアンケート調査から-
○大学生活における学習支援と学生の困りごとについての考察
○作業療法学生の自己効力感と臨床実習の不安との関連性

<詳細>
https://researchmap.jp/miya8310