2025_フィリピン

2024年度末に、フィリピンに短期留学していた学生さんからの留学報告が到着しましたので、ご紹介いたします。

留学先:大学(部局)間協定を結んだフィリピンの大学Angels University Fundation(AUF)と現地施設

  • 参加学生:作業療法学科4年生2名(2025年3月時点)
  • 報告者:作業療法学科4年生(2021年入学生)
  • 留学期間:10日間(2025年3月10日〜19日)
  • 留学形態:AUFにもとからある1ヶ月留学プランを、今回本学学生のために10日程度にアレンジしていただき、短期留学が実現。旅費は学生の自己負担。
フィリピンのフルーツの数々
大学近くの屋台にて

【スケジュール】

  • 1日目:往路(成田国際空港→Clark International Airport)
  • 2日目:AUFで3年生の精神領域の作業療法の授業に参加する
  • 3日目:Quezon Citiy KABAHAGI Center for Children With Disabilititesの見学をする
  • 4日目:Marivelses Mental Wellness And General Hospitalの見学をする
  • 5日目:Angel Beats!の見学をする
  • 6〜8日目:Pampanga Tour(Pamintuan Mansion,Holy Rosary Parish,Libingan ng mga Bayani,SM City Clark)および休息をとる
  • 9日目:AUFで1年生の授業に参加する.日本の作業療法についてインタビューを受ける
  • 10日目:復路(Ninoy Aquino International Airport→成田国際空港)
  1. 見学報告

見学先①  Quezon Citiy KABAHAGI Center for Children With Disabilitites(https://quezoncity.gov.ph/departments/qc-center-for-children-with-disabilities-kabahagi/

テキストの例

この施設は、障がい児の包括サポートを行う公的機関であり,教育,医療,社会福祉など様々な支援を行っています.また障がい児の権利擁護にも力を入れているそうです.

神経発達症(発達障がい)の親御さんに向けた家や学校での過ごし方のヒントになるパンフレットや,本人やきょうだい児が読める絵本も準備されていました.

廊下に子どもたちが描いたイラストで作成した作品がたくさん展示されていました.
プロの写真家による写真教室があったそうです.その際に子どもたちが撮影した写真が展示されていました.子どもたちの見ている世界を少し覗かせてもらった気分でした.

発達支援のニーズが高く,特に作業療法士が支援しているケースが多いそうです.日本と同じく多くの待機児童もいるそうです.

大きな部屋で様々なお子さんを支援していました.子どもの目標に応じて,歯磨きや字の練習を始めとして様々な支援をしていました.日本では支援機器で環境調整をすることが多いですが,やり方の工夫によりできるようになることを目指しているように感じました.また親御さんへのコーチングに力を入れていました.そのためセッションの中では親御さんは見守っているだけではなく,子どもと親御さんが実際にやってみるパートを大切にしていました.

見学先② Marivelses Mental Wellness And General Hospital (https://mmwgh.gov.ph/)

政府機関の精神病院としてルソン島北部と中部の精神保健のニーズに応えています.急性期から生活期まで幅広く支援していました.作業療法を実施するための建物もあり,そこで日常生活動作(ADL)の練習や,グループでのレクリエーション活動が行われていました.

作業療法士と医師から病院における作業療法の方針や,リハビリ内容で大切にしていることについてお話を伺いました.印象的だったのは「金継ぎ」の話です.金継ぎは割れたりかけたりしてしまった器を修復する日本の伝統工芸です.器に残った「傷」を隠すべきものとしてではなく,その一部を受け入れて,新たな美として捉えます.作業療法士は時に「傷」を抱えて生きている方にも出会います.その「傷」は綺麗に消え去るものばかりではありません.それを否定するのではなく,その方の人生の一部として受け入れ,新しい価値を見出すということが大切だと話してくださいました.日本とは異なる文化を持つフィリピンで,この「金継ぎ」の哲学が,臨床に活かされていることに感動を覚えました.

最後に「Green Ribbon 」 というとても素敵なお土産もいただきました. グリーンリボンはメンタルヘルスに対する意識向上のための国際的シンボルです.身につけることで,周りの方にメンタルヘルスを気にかけていることを示すことができるそうです.

見学先③ Angel Beats! (https://www.angelbeatsplay.com/)

Angel Beats!はお世話になったAUFのジェム先生の配偶者が経営する施設です.フィリピンの作業療法士は,病院よりも「個人で開業した施設(Private clinic)」で働く人が多いそうです.部屋に入って最初に目につくのはとても明るくてカラフルな空間です.子どもたちが遊びたくなる工夫がたくさんされていました.子どもたち同士がコミュニケーションを取り社会性を身につけることや,遊びを通した感覚入力などを意識することを目指したものでした.神経発達症(発達障害)の子どもが多く通っていました.制服を貸していただき,多くの子どもたちと関わらせてもらいました.

2.学習報告

AUFでは、精神科でのアクティビティの実習の講義に参加しました.OT役とクライアント役に分かれて,実際にアクティビティを行っていました.

自己紹介→House role(アクティビティ中のルール)→アイスブレイク→アクティビティの順に進めていました.アクティビティの後には,「(クライアント役が)どのような気持ちになったか」や「このアクティビティはクライアントのどのような能力の向上に役にたつか」などをディスカッションしていました.

私たちも実際にクライアント役として参加させてもらいました.自分の気持ちや思ったことを素直に伝えることに最初は緊張しましたが,拙い英語でもクラスメイトがゆっくり丁寧に聞いてくれて,本当に作業療法を受けているような気持ちになりました.

ほかにも、日本とフィリピンの作業療法の違いについての講義に参加しました.AUFの学生が日本の作業療法について質問をしてくれました.その後それに基づきポスターにまとめて発表してくれました.フィリピンでは子どもの領域で働く作業療法士が90%以上であるため,日本の高齢化と作業療法士の働くフィールドについて説明すると,大変驚いていました.他にも日本の文化とフィリピンの文化の違いや,どんなモデルを使うことが多いのかなどの意見交換もしました.せっかくの機会だったため,MTDLP(詳細→https://www.jaot.or.jp/mtdlp/mtdlp/)を紹介すると,日本独自のものであるため大変興味を持ってくださいました.

3. 学生との交流

この留学の直前にあったVertual Exchange Programに参加していた学生さんと実際に会うことができて,とても嬉しかったです.彼女らが校内を案内してくれたり,AUFの教育システムについて教えてくれました.その中でもAUFの実習システムの違いに驚きました.4年時に2ヶ月ずつPediatric,Mental health,Phisical,Accademic,Community based rehabilitationの5領域で行うそうです.Accademicの実習は教授の手伝いをしながら,教えるスキルを身につけるそうです.実習の最後には後輩のクラスで講義をするそうです.(私たちの大学では希望した学生が,教育学や教育心理学等の講義を受講できます.)教授の指導に基づき講義を組み立てるというAUFの実践に基づく教育システムに大変興味を持ちました.

大学の周りに屋台やお店もいくつかあり,楽しむことが出来ました.AUFの学生や高校生も放課後に楽しんでいましたよ!

4, 食文化

 主食は日本と同じお米で,朝昼夕とお米を食べるそうです.しかし米の種類は異なり,粘り気が少なかったです.

 フィリピンの皆さんはお肉も大好きでした.有名なファストフード店の一つに「Jolibee」というチキン専門店があり,マスコットキャラクターと写真を撮っていただきました.

島国のため,魚介類はとても新鮮でした.最終日にはロブスターやカニ,貝などのシーフードメニューを堪能させていただきました.フィリピンの伝統に従い,私達も手を使ってご飯を食べました.

 そして何より,フルーツがとてもおいしかったです.市場でバナナやマンゴー,ココナッツミルクを買っていただき堪能しました.

5. 文化的背景

国民の多くの方がキリスト教徒(カトリック)を信仰しており,週末に教会へお祈りに行く人も多いそうです.AUFの敷地内にも教会がありました.見学した際もお祈りされていた学生さんがおり,生活の中に宗教があることがあることが伺われました.

 フィリピンの方は基本的にタガログ語で会話されていましたが,保育園のころから英語を使うことが多く英語は大変浸透していました.自分より目上の方に,尊敬を表す「マノ」という挨拶がありました.これは,年配者の右手を取り,お辞儀をしながら軽く自分の額に触れさせる動作です.AUFの中でも時々目にしました.

また普段の移動は「Grab」というアプリでデリバリーやタクシーを呼ぶことができます.タクシーの場合でも予め値段が提示されるので安心して乗車できます.このアプリはフィリピン短期留学で大活躍でした.GrabタクシーでSMクラークという大型ショッピングモールへ行き,お土産を買ったりして楽しみました.

Panpanga tourで見学させていただいたHoly Rosary Parishの教会

フィリピンの皆さんがあたたかく迎え入れてくださったことで,10日間とても充実した日々を送ることができました.日本とは文化が異なる国の作業療法士との出会いはとても貴重な経験となりました.AUFの皆様,そして見学先の施設の皆様に心より感謝申し上げます.次は私たちも作業療法士となりお話しできることを楽しみにしています.

Ang mainit na pagtanggap sa amin mula sa mga mamamayan ng Pilipinas ay naging lubhang kasiya-siya sa 10 araw na iyon. Ang pagpupulong sa mga occupational therapist mula sa mga bansang may iba’t ibang kultura sa Japan ay isang napakahalagang karanasan.

Nais kong ipahayag ang aking taos-pusong pasasalamat sa lahat sa AUF at sa lahat sa mga pasilidad na aking binisita. Inaasahan naming muling makausap ka sa susunod bilang mga occupational therapist.